恋した責任、取ってください。
 
シーズンが始まって、まだたった7戦。

されど、7戦だ。

まだまだ序盤とはいえ、勝てる試合を取りこぼすようなことが続けば、気づいたら順位が沈んでしまっていたなんてこともままあるそうだ。

とりわけ今回は大地さんの調子がすこぶる悪い中での2連戦。

嫌な予感が当たってしまったというか、なんというか……。

昨日の試合では安定のフローズンアイとスリーポイントシュートでチームの得点の約半分を叩き出した佐藤さんだったけれど、さらに調子が下がってしまった大地さんのぶんまではカバーしきれなかったのが実際のところだった。

精神的にも体力的にもかなり疲弊している様子で、人一倍、汗をかいて、とても苦しそうで。

それでも果敢にシュートを決め続ける佐藤さんは、3日前の〝期待して待ってますから〟を体現しているようで、たびたびコートに膝をついて肩で荒く息をしている姿が、とてもとても胸に痛かった。


「ねえ、弥生。私にできることってなんだろう」

「え?」

「今ね、大地さん、すごく調子を落としてるの。佐藤さんが言うには、大地さんの調子が上がってこない理由のひとつは私なんだって。でも、話しに行く勇気もないし、とにかく怖くて。佐藤さん、すごく体を張って私の背中を押してくれてるのに、何もできないんだ」


昨日の大地さんや佐藤さんの様子を思い出してしまい、たまらず弱音を吐いてしまう。

私がチームを――今、一番苦しんでいる大地さんをどうにかしてサポートしなきゃならない立場なのに、佐藤さんにサポートされてしまっては、元も子もない。

私はいったい何のためにここにいるんだろうか。

会場の雰囲気が変わり、派手な音楽と演出で両チームがコートに入場していく様子を眺めていると、自分が情けなさすぎて無性に涙が込み上げ、視界に膜が張って選手の顔が誰が誰だかわからなくなった。
 
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