恋した責任、取ってください。
言われてふっと頭に思い浮かんだのは、佐藤さんの台詞だった。
『大地さん、夏月さんと俺がどうなってるか、ずーっと気になってるみたいですよ』
『大地さんの調子が今一つ乗ってこない原因のひとつに夏月さんが絡んでいるってことは、俺から伝えておきましたから』
『だからお願いです、夏月さん。大地さんと話をしてあげてください』
確かに私は、佐藤さんに告白されるまで自分が好かれていることに気づきもしなくて、返事をするまでにも、ずいぶん待たせてしまった。
きっと佐藤さんは私が大地さんを好きなことを知っていて、大地さんも佐藤さんが私を好きなことを知っていて。
少し形は違うけれど、大地さんが好きだった女性と私は同じタイプと言えそうだ。
「そうですね。今はもう、きちんとお返事まで済ませてますけど、あのときはちっとも気づかなくて……」
羞恥で頬が熱くなりながら、知らず知らずのうちに佐藤さんにしてしまっていた数々の仕打ちを心の中で詫びる。
今思い返してみると、佐藤さんはわかりやすすぎるくらい、わかりやすかったと思う。
もんちゃんの散歩のときも。
歓迎会のとき、私の隣で咽ていたときも。
次の日、お詫びにケーキを差し入れたときの『俺は夏月さんに知られて恥ずかしいことなんて一つもありませんから!』も。
そのときは気づかなかったけれど、こんな私のことを大切に大切に想ってくれていたんだなって、今ならわかる。
「返事、してたんだ?」
「……はい。恋愛経験もないくせにすごくおこがましいんですけど、お付き合いできませんってお断りしました。お盆休みに入る前のことです」
「ああ、子供向けバスケ教室のときだ? 確かあのとき、ふたりで帰ってたもんね。……なんだ、そっかぁ。そうだったんだ……」
「……そ、そういうことになります」