恋した責任、取ってください。
エマさんという名前らしい彼女は、ヒールの高さを差し引いても170cmはありそうな長身で、細身の体にピシッとパンツスーツを着こなしている凛とした姿は、岬さんと並んで立つとドラマの名シーンのように美しい。
話の内容こそ揉めているっぽいけど、長身同士が会話をしている姿はどんな内容でも絵になるなあ……と、私はしばし見とれてしまった。
「ん? ていうか、この子誰?」
するとエマさんが私に気づいた。
目鼻立ちがはっきりしているシャープな顔立ちは、ともすれば女王様のようで、品定めでもするかのように目を細められると自分の意志とは関係なくビクッと肩が震えてしまう。
大きいことをいいことに、岬さんの体を隠れ蓑にするようにジリ……とエマさんから離れる。
ごめんなさーい!でも怖いー!
「この子、天沢夏月ちゃん。天沢ちゃんとか夏月ちゃんって堅苦しい感じするから、なっちゃんって呼ぼう。今、ここで知り合った」
「……なっちゃん、ね」
そこに助け船を出してくれたのは岬さんだった。
怪訝な表情で口の中で小さく“なっちゃん”と反芻したエマさんとは反対に、岬さんはニコニコと顔を綻ばせ、私の頭にポンと手を置く。
ずいぶん大きな手だなあ……。
バスケット選手ならではなのか、それとも元々こういう手なのか、厚みがあって、関節がホネホネしていて、そして熱いくらいの体温。
岬さんは私を紹介するつもりで何の気なしに手を置いたと思うけど、勝手に守られているような気分になってくるのはどうしてだろう。
岬さんの手の温度が触れられた部分からドクドクと全身に入ってきて、私の体温も、ときめきと相まって内側から急速に上がっていく。