恋した責任、取ってください。
 
最後のほうは尻すぼみになってしまったけど、心でのみガッツポーズをしたつもりが気づくと実際に胸の前で拳を作っていて、大地さんに自分の達成感がダダ漏れなのが恥ずかしいけど。

でも言えた!言えたよ私!弥生やったよ!


握っていた拳を解いて、ペコリと頭を下げる。

言いたかったことを言えてスッキリしたけど、誤解が解けたところで大地さんの気持ちが変わらないのは分かっているから、同時にとても切ない思いが胸を占めて顔が上げられない。

でも、ここは顔を上げて無理やりにでも笑っておかなければならないような気がする。

そういう場面な気がする……なんとなく!


そうだ、ちゃんと笑えたら、選手の皆さんが揃うまでそこら辺の目立たないところでちょっと泣かせてもらうというのはどうだろう。

頑張った自分を自分で慰める的な。

なんて手間のかからないセルフだろうか!

けれど。


「……うひゃぁ!」


突如としてガシッと両腕を取られ、驚きのあまり奇妙な悲鳴を上げながら大地さんを見上げれば、ひどく心配そうに揺らぐ瞳とかち合って、一瞬にして何がなんだか分からなくなった。

なんか私、すっごい心配されてるっぽい!?

でもなんで!? なんで!?

一人、あわあわとしていれば。


「なっちゃん、それを言うためにまた胃を痛くしてたんじゃない? そうだったら話を最後まで聞かなかった俺が悪い。マジごめん……。それでも、せめて心配くらいはさせてほしい」

「へっ!?」

「俺のことで悩むとか、ホント勘弁して。なっちゃんはそんなことしなくていい。なっちゃんだけには好かれるわけにはいかないんだよ」

「????」


言っていることはほとんど理解できなかったけど、唯一分かった部分を自分なりに解釈すると、どうやら私はまたフラれてしまったようだ。

……胃の心配と共に。
 
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