汝は人狼なりや?(※修正中。順を追って公開していきます)
「おそらく、またすぐにでも連絡が──」


 臣さんの言葉を遮るようにして、家の電話が部屋中に鳴り響いた。緊迫している状況のせいもあってか、突然の音に驚きのあまりに身体がビクリと震える。

 臣さんはゆっくりと電話機に近付き、受話器をとって耳に当てる。そして、普段では絶対に想像できないほどの沈んだ声で、通話相手と言葉を交わしていった。


「はい。……はい、そうですか。はい……」


 相手との長いようで短い会話を終えると、臣さんはがちゃりと受話器をもとの場所において通話をきった。


「風子の身体はもう、病院に運び出されたらしい。最後に会いにきてやってくれ、だと。……まあ、言われなくても、もともとそのつもりだったがな」


 僕らの方を向いた臣さんは、そう言った。

 病院……。もしかしたら、実はまだ風子は生きていて、意識不明で病院に運び込まれたのでは……なんて、思ってしまう自分がいた。

 臣さんの口からも、アナウンサーの口からも、風子が死んでしまったことが伝えられたというのに。

 僕はまだ、風子が死んでしまった現実を、心の底から受け入れられていないだけなんだろうとは……思う。


「死んでない……風子は死んでいない……。だって、あんなにも明るくて元気で強い子だったのよ?! いきなり風子が……私たちの子供が死んだなんて、そんなことをいきなり言われても……っ!」

「……洋子。気持ちは分かる。もともとみんなで風子のところへ行くつもりだったが、来たくないなら来なくても大丈夫だ。大和はどうする? 一緒に病院に行くか?」


 臣さんの言葉に、僕はコクッとうなずいた。
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