汝は人狼なりや?(※修正中。順を追って公開していきます)
「なに、それ?」


 黒月くんは僕のことを呼んだはずなのだけれど、名前を呼ばれていない坂口さんが尋ねる。でも、きっと2人はみんなの視線をこちらに向けるためなら、誰だってよかったんだろう、なんだってよかったんだろう。

 2人は同時に顔を見合わせ、うなずく。そして、「せーのっ!」で一緒にその布を取り払った。


「!」


 バサッと音を立てて白い布は床に落ちる。そして、その下に隠れていたのは、机らしい台の上に置かれた様々な凶器。刃物、銃器、鈍器、見るからに怪しい薬、チェーンソーなんかも、ある。

 これって……もしかしなくても、4つ目のルールに書かれてあったこと?どんなことをして殺してもいいっていう……。

 普段、生活していて、リアルじゃまず見ることのない黒い銃器。僕は銃器に詳しくないから分からないけれど、一般的にハンドガンと呼ばれる拳銃だ。

 その銃器って、本物、なのかな……?
 本物なら、弾は入ってるということ……?


「これらを使って、人狼を……?」


 殺せ、ということなのだろうか。

 凶悪な人狼()に、刃物、鈍器、見るからに怪しい薬、チェーンソー、そして……銃器を使って、殺せということなのだろうか。

 ──はたして、〝殺せる〟、のだろうか?

 人狼を狩る特殊部隊──通称、Special unit hunting werewolf.(スペシャルユニット ハンティング ウェアウルフ)……【SHW】でさえ日々手こずっていると聞くのに、この目の前にあるモノたちで殺せるのだろうか?

 思っていたよりもずっとずっと、心許ない気が、する。……本当に殺さないといけないかどうかは、置いておいて。
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