汝は人狼なりや?(※修正中。順を追って公開していきます)
 視線をこちらに向けたと思いきや強引に逸らし……またこちらに視線を向ける。繰り返し行う、あまりにも不自然なその動き。

 ──彼女もまた、怖いんだ。

 気が付いたらこんなことになっていて、いきなり人間と人狼とで殺し合えだなんて言われて、不安や恐怖を抱くことは当然のこと。それをうまいこと自分の中に押し込み、丸め込む余裕なんて、早々とやってのけれることじゃない。

 大上さんの不自然な動きを見て、すぐにその心情が分かったため、安心させるようにぎこちなくも微笑みかけてみた。


「心配しなくても、僕は人狼じゃないよ」

「え?! あ、そうなんだ……じゃなくてっ、ごめんね!その、犬飼くんのことを疑っていたわけじゃ……なくて……」


 素直に反応する大上さんが面白くて、少し笑ってしまう。自分が笑われた理由が分からなくて唖然とする彼女だけれど、わざわざ教える意義はないかな。

 「反応が素直で面白いね」だなんて、わざわざ面と向かって言ってあげる必要も今はないだろうし……。


「大丈夫だよ。この状況じゃ疑心暗鬼に陥るのは仕方ないことだし、それに……。僕が『自分は人狼じゃない』と言って否定しても、説得力はないだろうしね」

「あ……」


 僕のことを素直に気遣ってくれている気持ちが半分、でも彼は人狼かもしれない……食い殺されたくない……そう思って恐怖を抱いている気持ちもまた、半分。

 僕が自分のことを「100%人間です」と言い張ったってその信用性はどこにもないし、むしろ言い張るつもりもない。こんな状況……疑われるのは当然のことだし。

 だから、自分のその気持ちに罪悪感を抱く必要はないというつもりで、大上さんに笑いかけた。
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