汝は人狼なりや?(※修正中。順を追って公開していきます)
狼谷くんは自分自身を人狼だと言っていたけれど、狼耳を生やしたり爪が伸びたりという決定的な証拠を見せていない。だから、本当に彼が人狼だと決め付けることは出来ないでいた。
僕たちを化かし、引っ掻き回して楽しんでいるような彼はまるで……いわば、狐のような存在で。今、この場において、とてつもなく厄介な存在であることには違いないのだけれど。
しかし、由良城さんの身体からは、人狼である証拠のひとつひとつが生えている。これは……たとえ由良城さん自身が自分が人狼であることを否定したとしても、決して逃れられることは出来ない決定的なモノだ。
さっきまで普通に生きていた人が……如月さんが、目の前で、人狼なる人物にあっという間に食い殺された。「さようなら」の挨拶も、ろくに交わせないまま。しかも、その人狼の正体は同じクラスの由良城さん。……はたして、こんな悲しいことが起こってしまっていいんだろうか?
否、良いわけが無い。
惨劇を目の当たりにして、僕が何よりもショックなのは、──クラスメートの中に、〝本当に人狼が存在していたこと〟、だ。
ゲームの内容……この中に人狼が紛れ込んでいるということは実は嘘で、犯人の虚言だったのかもしれない。そういう嘘や虚言を口にすることで、無駄に血を流させることが犯人の目的だったのかも……しれない。という仮説が、たった今、打ち砕かれてしまった。
「クソッ!化け物め……っ!」
閉ざされた部屋の中……パニックに陥る人が多数いる中で、たったひとり──火神くんが台の側まで駆け寄り、長い鉄の棒を1本、手に取る。
……明らかに威力のある銃器を手にしなかったのは、触れたことの無いモノの扱いが怖かったからかもしれない。それか、彼自身、人狼といえど、誰かの──クラスメートの命を奪うことを躊躇っているから……なのかな。
僕たちを化かし、引っ掻き回して楽しんでいるような彼はまるで……いわば、狐のような存在で。今、この場において、とてつもなく厄介な存在であることには違いないのだけれど。
しかし、由良城さんの身体からは、人狼である証拠のひとつひとつが生えている。これは……たとえ由良城さん自身が自分が人狼であることを否定したとしても、決して逃れられることは出来ない決定的なモノだ。
さっきまで普通に生きていた人が……如月さんが、目の前で、人狼なる人物にあっという間に食い殺された。「さようなら」の挨拶も、ろくに交わせないまま。しかも、その人狼の正体は同じクラスの由良城さん。……はたして、こんな悲しいことが起こってしまっていいんだろうか?
否、良いわけが無い。
惨劇を目の当たりにして、僕が何よりもショックなのは、──クラスメートの中に、〝本当に人狼が存在していたこと〟、だ。
ゲームの内容……この中に人狼が紛れ込んでいるということは実は嘘で、犯人の虚言だったのかもしれない。そういう嘘や虚言を口にすることで、無駄に血を流させることが犯人の目的だったのかも……しれない。という仮説が、たった今、打ち砕かれてしまった。
「クソッ!化け物め……っ!」
閉ざされた部屋の中……パニックに陥る人が多数いる中で、たったひとり──火神くんが台の側まで駆け寄り、長い鉄の棒を1本、手に取る。
……明らかに威力のある銃器を手にしなかったのは、触れたことの無いモノの扱いが怖かったからかもしれない。それか、彼自身、人狼といえど、誰かの──クラスメートの命を奪うことを躊躇っているから……なのかな。