生贄投票
「携帯会社変えたの?」


「うん」


二階から下りて来た華音に、妃佳里が聞く。


「華音だけで、家族は変えてないんでしょ?」


「うん」


「それってさぁ、家族割引とかなくなるじゃん。よく許してくれたよね」


「うん。そうなんだけど、土下座して頼んだら何とかね」


「へぇ~良いなぁ、うちじゃ絶対無理だ」


妃佳里は苦笑いをした。


華音の新しいデータを取得して、二人が帰ろうすると、

華音が一人になりたくないと言うので、早苗たちはそのまましばらくいてやることにした。


いつも漫画のふきだし台詞を、感情を込めて読んで笑いをとったりする華音が、いつもとは違ってしおらしいから、何だか放っておけない。


普段の放課後は、Lineでのやり取りばかりだから、学校以外の場所で、直接話しあうのは久しぶりである。


なるべく生贄投票に関係のない話ばかりを選んで、話し続けたから、早苗も妃佳里も、それなりに楽しく、夕方になって、華音の母親が帰宅するまでそれは続いた。
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