生贄投票
「ちょっといいですか? とにかくこのままじゃ埒があきません。妥協案を出しませんか?」


ここまでずっと聞き役に回っていた数学教師の有村が口を開く。


「妥協案?」


「ええ、このままじゃ平行線です。もっともこの時間はもうすぐ終わっちゃいますけど」


そう言われて桜井は時計を見る。確かに後3分で授業終了のチャイムが鳴る時間だった。


「いや、妥協案はもういいでしょう。この授業はもう終わりですし、これ以降は担任の藤本先生に任せましょう」


桜井は有村と陣内に向かってそう言うと、教壇に戻って片づけを始めた。
< 65 / 827 >

この作品をシェア

pagetop