生贄投票
「悪いが西野、時すでに遅しだ」


「え? どういうこと?」


「それは今日の正午に分かるさ」


「今日の? それって……」


「さてと悪いな。俺は早退するからよ」


俊明はそう言うと立ち上がる。


「ちょっと待ってよ。それってどういう意味? 今日の生贄は警察に捕まってて投票出来ない怜ちゃんが、自薦立候補になるんだよね?」


不安から泣きそうな顔の美姫を、俊明は無言で見つめた後、ポンと肩を叩く。


「西野、悪いことは言わないから、今から家に帰って正午までに美味いものでも食えや」


そう言い残して教室から出て行く俊明を、美姫は愕然として見つめた。
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