生贄投票
工藤勇作は山岡俊明からの連絡を受けて、すぐに武藤亜夢に電話をかけた。


実はずっと前から良いなぁと思っていた相手なのだが、先日森川彩奈の自宅に行ったときから、かなり親密な感じになっているのだ。


亜夢は親友の涼子を亡くした上に、美奈都とも疎遠になっていて、ほとんど一人ぼっちだった。

一方勇作も、一番仲の良かった佐伯雅治と、沼本竜吾を亡くしているから、そういう心情的なことから、急速に親密になったのである。


状況が状況だから、色恋沙汰云々にうつつを抜かしている場合ではないのだが、みんなの願いが叶って、三年生になって生贄投票が終わってくれたなら、そのときは正式に武藤亜夢に告白したいと思っていた。


聖佳たちに気をつけるようにと言ったら、怖いから一緒にいてほしいと言われ、勇作は亜夢の家に行くことにした。


昼間は家族はいないらしいから、二人きりということである。


色恋沙汰は生き残ったらと思っていたけど、もしかしたらもしかするかもしれないと、勇作の心はときめいていた。
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