生贄投票
ケーキを買っている途中も、買い終わった今も、勇作はずっと亜夢と電話をしていた。


切るタイミングを失ったというよりも、亜夢が淋しいからずっと話していたいと言うのだ。


ついつい勇作の顔もニヤケていた。


『ちょ、どこから入ってきたのよ!』


電話の向こうで亜夢が叫ぶ。


「おい、どうした?」


『朝倉と中村が、イヤぁあああああああ』


「おい! どうした?」


『あぐぅうう、ぐぅううううう』


「おい、武藤! 大丈夫か?」


電話の向こうで、ガタッ、ガタガタッという雑音が聞こえる。


「おい武藤! 武藤!」


勇作は電話に向かって叫びながら、亜夢の家を目指して走り出していた。
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