愛の音〜ainone〜

そこに隠れていたのは
隼人の愛だった。

"描きたいことなんて
一つしかない"

"雑すぎる"と怒ったわたしに
隼人が言った一言を思い出した。



雑だと言ってしっかり見ていなかった。
上辺だけをなんとなくしか見ずに
文句ばかり…
近くにいすぎて見失っていた。
いつだって隼人の愛を感じていたはずなのに…
求めてばかりで、ワガママ言って、泣いて、困らせて…
それでも手を差し出してくれていた隼人……


「ごめん…ごめん…隼人…」

ここで泣いて
謝ったって届かない……


"隼人が好き"
伝えたい……



風鈴を手にアパートを飛び出した。
隼人の家のチャイムを押す…
2回…3回……




不在なのか、居留守なのかわからない。
わたしなんかと会いたくないよね…



うつ向いたまま、
ふたりでよく行った公園のベンチに座る。



失ってから気がつく。
大切な存在に。
愛されていたことに…


きっとその時にはもう遅くて…
後悔ばかりが溢れ出る。



あの日みたいにふたりで
笑いたい……

< 11 / 13 >

この作品をシェア

pagetop