愛の音〜ainone〜
隼人はめんどくさがり屋だし、
思っていることを言葉にしなかったり…
"好きだよ"とか愛情表現もあまりない。
少し不満だけど最近は慣れてきた。
「でーきたっ!」
余計な事を考えていると隣から
聞こえてきた隼人の声に驚いた。
「えっ?!もぉできたの?!」
「描きたいことなんて
一つしかねぇもん」
そう言って"寝る!"と机に伏せた隼人の手元の風鈴を見た。
ガラス部分に描かれたのは
わたしの好きなピンクと
隼人の好きな青色の
二色のみで描かれた、
ドットのような…点をイビツに散りばめた雑さ満載の風鈴が完成していた。
「ねぇ!雑すぎじゃないこれ?」
「ん?いいから由奈も早くやれよぉ」
返事もせずに、
自分のデザインを考えた。
「でーきたぁぁ♡♡」
起き上がった隼人はわたしの
風鈴を見て苦笑いした。