Focus

電話を入れてから向かった場所は、大使館の建ち並ぶ一角でもともとはどちらかの大使が使用していた邸宅を譲り受けて、ブライダルなどのパーティー用として使用している建物だった。

使っているタイルなども素材を厳選した跡が窺え、よい作りだと感心する。

来訪の意図を告げると、隅に用意されている応接セットへと案内された。すぐに飲み物の好みを尋ねられ、マホガニー色のテーブルへ届けられた。

丹念にデザインされ、嵌め込まれたガラスから庭を眺めていたら、スーツ姿の女性から声がかかった。



「相模様、お待たせしました。品川と申します、本日はよろしくお願いいたします」

髪をまとめて結い、きりっとした美人だった。正確に言うなら、顔立ちを補って余りあるくらい立ち居振る舞いの美しい人だった。

立ち上がり挨拶を交わし、お互いに席に落ちついてからは、品川さんから癒しオーラ感じた。

どんなことでも、笑って相談に乗ってくれそうだ。

「先程電話したとおり、こちらで契約している山並鉄也さんの代わりとしてブライダル写真を担当するのですが、参考までに山並さんの写真を見せてもらえないでしょうか」

< 4 / 229 >

この作品をシェア

pagetop