いい加減な恋のススメ



「謝ることじゃないよ、昨日のことが心配で。幸澤先生と何かあったの?」

「っ……どうしてですか」

「え、昨日幸澤先生に呼ばれてその後帰っちゃったから。幸澤先生はまだいたから」

「……」


大丈夫、何も間違ったことは言っていない。それは普通に見ていて分かる内容だ。
きっと小田切先生はまだ私と彼の関係には気が付いていない。


「実は授業のことでダメ出しされて……居づらくなったんで帰りました」


どうだろう、私の声大きかったら調理室でも聞こえていたかもしれないけれど。
それ以上のこともあったけど、言えない。


「それでどうして私を探していたんですか?」

「うん、聞きたいことがあってね」

「聞きたいこと……」


思い付くのなんて1つしかない。


「俺、告白したの、覚えてる?」

「あ……」

「……もしかしたら冗談だと思われてないかなって心配になって」


ほら変な風に言っちゃったから、と彼はニカッと微笑んだ。
私は恥ずかしくなって頷きと同時に顔を下に向けた。


「覚えてる」

「そっか……敬語外れたっていうことはあの日と同じ気持ちになってくれてるってこと?」

「そんなつもりは……」


その後の言葉が続かなかったのでそのまま流すような形になってしまった。



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