いい加減な恋のススメ



多分皆川さんは私が幸澤先生とよく話しているのが気に入らないんだ。だけどそんなことを言われても私がしたいことをしているだけ。だから皆川さんにそう言われる筋合いはない。

私も無視すればいい話、なんだけど。


「意識してやってないんだったらちょっと控えてくれないかなって」

「……そんなこと言われても」

「ていうか安藤さんって真面目ちゃんそうに見えて、実は男に媚売っちゃう系?」

「……」


そんな勘違ったこと、いつまでも言われているだけじゃ嫌だ。


「大丈夫だから、別にあの人のこと皆川さんと同じような気持ちで見てない」

「それ、本気で信じるって言ってんの?」

「……」

「ま、そこまで言ったらその通りにしてくれるんだよね?じゃあもういいかなぁー」


安心したのか、皆川さんは「あ、あとさー」と明るいめの声で続ける。


「幸澤先生が言ってた修学旅行のパンフレットの話。私がやるからさー。いいでしょ?」

「……」

「ふふ、じゃあね」


彼女は自分が言いたいことを全て言い切ったのか、満足そうに私の隣を通って帰っていってしまった。
彼女の姿が見えなくなってから私は深く溜め息を付いた。疲れた、苦手な人と話すってやっぱり苦痛。

皆川さんに絡まれるぐらいならもう彼に話し掛けるのは止めた方がいいのかもしれない。


「(パンフレット……)」


家に帰って修学旅行先のことを調べようかななんて考えていた自分が馬鹿馬鹿しくなった。



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