いい加減な恋のススメ



幸澤先生は私に「返すわ」と課題を押し付けてきた。


「俺はそういうところを評価したつもりだけど。それにアイツの解釈もなかなか面白かったしな」

「解釈?」

「おお、アイツ殆んど自分が考えた内容でさ、読んでて楽しかったんだよ」

「……はぁ」


だーけーどーな、と彼は私の額に向けて指を突き付けた。


「お前のは確かに情報量は凄かったけど全く自分の意見は書いてなかった。それに見せる相手誰だと思ってんだよ。日本史教師に日本史の知識語ってどうすんだよ、んなもん知ってるっつーの」

「っ……」

「お前のレポートはなんかさぁ、『私こんなことも知ってて凄いでしょ』みたいな自慢げなところが読んでて苛々すんだよ」

「そ、そんなことで点数下げたんですか!?」

「立派な理由だっつーの」


教師舐めんな、と彼はベロッと舌を私に見せ挑発してきた。私はそんな彼に見えないところで握り拳を作るとふるふると怒りを抑えるのに必死になった。


「いいじゃん?別に。どうせお前テストでいい点数取るんだから。どう足掻いても俺はお前に高評価を与えざるえないんだよ」

「……」


そういう話じゃ、なくて……



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