いい加減な恋のススメ
泉ちゃん泉ちゃん、と話し掛けられ、
「赤のペンキがなくなっちゃったの!どうしよう!」
とその女の子は困ったように顔を歪める。
「あれ、もう?」
「うん、赤と黒はよく使うみたいで消費が激しくって」
「……じゃあ、私美術室見てきます。それで借りれたら借りてきますので」
取り合えず今は他の色の所お願いします、と私は彼女に頼み、被服室から離れた。
今日から午後の授業は全て無くなって文化祭準備に取りかかることになっている。つまり文化祭は今週の土曜日だ。
ついでにいうと私の公開授業の初日は明日だ。
だけど午後4時までは文化祭の準備を手伝うことになっている。明日の準備は一通り終わってはいるのだがまだ不安は取り除けてはいない。
廊下は生徒会の生徒たちが飾り付けているようですっかり文化祭ムードだ。そうそう、私が学生のときもこんな感じだったなと思い出し、懐かしくなる。
「(美術室ってどこだったっけ)」
そうは言ってもここにきてまだ3週間、自分に無関係な所の場所はまだ曖昧だ。
私は職員室前の学校内の地図を見ながら美術室の教室を探した。