いい加減な恋のススメ
だけど、
「私が好きになったのは教師じゃない、幸澤先生だったので」
そう告白すると彼は暫くして「あぁ、そうだな」と言葉を溢した。
私初めて彼の前でこんなに素直になれたかもしれない。昔の私なら彼に告白するなんて全然考えられなかった。
傷付くのが怖くて逃げて、だけどそれでも自分の気持ちは消せなくて、高校を卒業してからも何となく私の胸に残っていた彼の存在はいつだって頭の中でチラついて。
こうしてもう1度会わなければ、ずっと忘れたままだった。
大人の彼は子供の私より何枚も上手で、私が言いたいことなんてきっともう分かりきっていると思うけど、それでも自分の気持ちは自分で伝えたい。
あの時、閉まった気持ちを開くなら、きっと今がその時。
「幸澤先生が好きです」
きっと彼からは言ってはくれないだろうから、先手を打たせて貰った。
それくらいは許されるだろうか。
彼は私の告白を上目遣いで聞くと後でこっそりと「ありがと」と呟いた。
そんな彼がやっぱり好きだなと思った。
と、
「てか、やっぱり小田切なんかと付き合わずにお前がさっさと俺に告ってれば良かったんじゃねぇか」