いい加減な恋のススメ










私、どうしたんだろう。何だか変だ。


「安藤、顔変になってんぞ」

「っ……」


私の前を歩く彼は顔だけ振り返ってそう言った。


「つーか前から思ってたけどお前ってよくそんだけ表情に出るくせに上手く生きてこれたな。かなり分かりやすいよ」

「そんな、こと」

「あるある」


普通にしてろよ、と手を腰に当てながら歩く彼の背中を追った。
だってこんなの、普通にしてられるわけがないじゃないか。好きな人の、彼女になれてしまったのだから。

それも今が文化祭中だってことを忘れて……あ、あんなことまで……

この男恐るべし!


「まぁ、ニヤけちゃう気持ちも分かるがなー。なんてったってこの俺の彼女になれたんだもんなー」


いや、ニヤけているのはどっちだというくらい彼がニヤニヤと私のことを笑った。
この人って本当にこういうところがなかったら完璧なんだけどな。でもそれは彼の個性というか性格を非難してしまうから流石に言えないんだけど。

そんなことよりも、今までだったらこんなこと言われて直ぐにムキーッとなっていた私だったけど今はどうしてだかそんな気分にもなれない。
逆に「俺の彼女」と言われて少しドキッとした。

私、なんか変だ!



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