いい加減な恋のススメ
そして、
「いーずみちゃん!」
「へ?」
数人の生徒が前に出てきたと思ったら、彼らの後ろから出てきたのは大きな花束と色紙だった。
突然の出来事に目を見張る。
「泉ちゃん教育実習お疲れ様でした!」
そう言って差し出されたそれらに私はぐっと歯を食い縛った。そうしなきゃ涙が出てしまいそうだったから。
隣で幸澤先生が「ぶっ細工な顔」と笑っていた。後で怒る。
「あ、ありがとございます~」
なんか自分のことで一杯すぎてこんなこと全然予想してなかったから本当にサプライズだ。
私は何とか我慢していたけど最後はやっぱり泣きべそを掻いていた。
辛いこともあったけど、頑張ってよかった。
「泉ちゃんが泣いた!」
「大丈夫大丈夫、コイツよく泣くから」
「何で幸澤が何でも知ってる風なの」
「それは勿論……」
「何でもないです!」
慌てて彼の口を塞ぐ。こんなところで変なこと言われたら最後の最後で台無しでもないか!
しかしそんな私の努力も空しく、ある男子生徒が「あ!」と思い出したように大きく声を上げた。
「俺、幸澤が泉ちゃんと手繋いで歩いてるの見た!」
その瞬間クラスの雰囲気が凍る。