いい加減な恋のススメ
下で小田切先生待っててくれてるのに。待たせちゃうことになってしまう。
「え、と……ごめんなさい、どれぐらい時間掛かります?」
「ざっと1時間」
「(1時間!?)」
こんなの待たせるところの話じゃないよ!でも仕事だったら断るわけにもいかないし、流石に幸澤先生の頼みでも嫌がるわけには……
「別に、用事があるなら他の日でも良い」
「あ、それじゃあ」
「けど、今知っておいた方がお前が単独で授業する際に資料を探すのに慣れると思うけどって話だから」
「行きます!」
ハッと我に帰ったときにはもう口から出てしまっていた。でも、単独授業失敗したくないし、それに今からでもちゃんと知ってた方が良いと思ったから。
幸澤先生は「そう言うと思った」と苦笑する。あ、私の前で笑った。ちょっとだけだけど。
「じゃあ先に行って準備してるわ。ゆっくり来い」
「……」
あ、と声を掛けそうになったときには彼は職員室から出ていってしまっていた。
私は自分の鞄を握ると急いでその場から離れた。