いい加減な恋のススメ
「ごめんなさい!」
私がそう謝ると小田切先生は優しく微笑んだ。
「仕方ないよ、急だったんでしょ?それに勉強になるなら行った方が良いし」
「でも、ドタキャンみたいなこと」
「違うよ、だって安藤さん俺に伝えに来てくれたじゃん」
超走って、と息切れをしている私を見つめる小田切先生に「走ったのではありません!競歩です!」と慌てて伝える。
「じゃあご飯の話はまた今度に。安藤さんの都合が良い日に誘ってよ」
「うん、ごめんなさい」
「いいえ」
あぁ、急に約束破っちゃっても何でこんなに優しいのかな。なんかそれが身に染み渡って感動までしちゃうよ。
それより、
「何であんなに急に言い出すんでしょうね、あの人。そういうところ計画性が無いというか、いい加減というか」
そう小さく、それでも彼に聞こえるように愚痴を呟く。
こうしてまた私の前に壁として現れる。今度言ってきたら絶対断ってやるんだから。
私がそうぷんすかしていると小田切先生も「なんでだろうね」と言葉を溢した。
と、
「わざとかもね」
え?、とその言葉に首を傾げると小田切先生は「じゃあまた明日ね」と言って自転車に跨がると帰っていってしまった。
わざと?わざとって何で。それって急に私に仕事を持ってきたってことだよね。
「(私と、もう少し一緒にいたかった、とか……)」
私はそう考えた後、恥ずかしさと悔しさと何とも言えない気持ちで顔が真っ赤になった。