わがままなキッス☆ 【短編】
やっぱり僕の不安は的中。
沙織は何でも早川と一緒だった。そうすると必然的に
僕は前川さんと一緒になる。

まあ毎回こんな
パターンだったから
僕はあまり気にしない。

とにかく楽しまないと損だと
最近は思うようにしている。



『沙織、ちょっと休憩しない?
のど渇いた。』


僕がそう言うと


「え〜、次あれ乗りたいっ!」


沙織は絶叫マシーンを
指差しながら頬を膨らます。


まだあんなのに乗りたいのか…
今日はかなり絶叫マシーンに
乗っていた。


僕はため息をつく。


すると…


「あっ、じゃあ沙織と早川君
二人で行ってきなよ。
私もちょっと疲れちゃったから
加賀見君と一緒に待ってる。」


『えっ…』


前川さんは僕の腕を取ると
沙織に手を振りながら歩き出す。


沙織も少し驚いた顔をしていた。


「あっ、由里も疲れたんなら…」


「沙織ちゃん、二人の
邪魔しちゃ悪いよ。行こう。」


「えっ…」


沙織は僕たちに何か
言いかけたけど
早川にそれを制され
二人反対方向へ歩いて行った。



*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*
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