わがままなキッス☆ 【短編】
「惣太〜由里〜早く
ジェットコースターに並ぼうよぉ〜!」


前を歩いていた沙織は
くるっと後ろを振り向くと
大きく手を振って僕らを呼んだ。


『はい、はい。今行くよ…。
まったく、声でかいんだよ。』


相変わらず人目を気にせず
大声を出す沙織に
僕はぶつぶつ文句を
呟きながら近づく。


それを聞いていた前川さんは
ぷっと吹き出して笑った。


「加賀見君って面白いね。」


『へっ…?』


彼女はクスクス笑いながら
沙織たちの方へ走って行った。


面白い…!?どこが!?
僕は彼女の言った意味が
よくわからなかったが…
まあ別に気にはならない。


僕が気になる事はただひとつ。
沙織の事だけだから。



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