わがままなキッス☆ 【短編】
授業中僕は
早川の言葉が気になっていた。
そして昨日沙織が言った言葉も…


=あいつは、オレと同じ=

=早川君と私、似てるの=


早川と沙織が同じ……

僕は今まで考えも
しなかった事にいきつく。


沙織も僕を……


もしそうなら
どんなに嬉しいか。

でも僕の中の弱い僕が

もし間違ってたら…
それで嫌われたら…
もうそばにいれなくなったら…

マイナスな事ばかり
頭をよぎる。


ふと由里ちゃんの
言葉が頭に浮かんだ。


=誰かのものに
なってからじゃ遅い=

=二人なら何があっても大丈夫=


僕もそろそろ
待ってるだけじゃダメかもな…


あの約束から12年。
沙織が覚えているかも
わからないような約束…。

いつまでもそれにすがって
いるわけにはいかないようだ。


=男だろ!=


頑張ってみようか…
きっとダメでも
沙織とは今まで通りで
いられる気がする。
だってずっと一緒にいたんだからきっと簡単には壊れない。

自分の中で何かが
吹っ切れた気がした。


沙織を誰にも取られたくない。


今まで臆病だった僕は
嫉妬と言う感情を
押し殺してきた。

沙織に嫌われたくなくて
協力もしたし話しも聞いた。
でも本当は
嫌でたまらなかったんだ。

それでも僕は
沙織の笑顔が見たかったし
そばにいたかった。
だから我慢して
そうゆう気持ちを
胸の奥にしまい込んでいた。

そろそろそれを
解放してもいいみたいだ。



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