わがままなキッス☆ 【短編】
告白なんて
生まれて初めてする。
緊張して
頭が真っ白になっていた。


ん…?
そういえば初めてじゃないか。


僕は昔の事を思い出す。
3歳くらいだったか
僕は沙織に告白をした。
その時の事は
なぜだか今でもはっきり
思い出せる。


子供の頃の告白だけど…


そう…
あの時みたいに
僕の気持ちを
素直に伝えればいいんだ。


僕はひとつ大きく息を吐くと
沙織の方を向いた。
沙織も僕の顔を見る。


『沙織…僕は臆病で
沙織に嫌われるのが怖くて
ずっと言えなかった事がある。』


沙織は大きな瞳で
僕の目を真っ直ぐ
見つめていた。


僕はもう一度大きく息を吐くと
沙織から目をそらさずに言う。


『僕はずっと沙織が好きだ。
小さい頃初めて沙織に
好きって言った日から
この気持ちは
一度も変わってない。』


僕の言葉を聞いて
沙織の目に涙が溢れる。

僕は言葉を続けた。



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