わがままなキッス☆ 【短編】
「もう、聞いてよ惣太ぁ〜」
『沙織…またふられたの?』
「えっっ!? うん…
なんでわかったの〜?」
『なんでだろうね。』
僕は本を読みながら答える。
ここは図書室だ。
沙織は僕の隣の席に座った。
「康介君ってば、他に好きな子
出来たって言うんだよぉ。」
『ふ〜ん、そう…』
「それでね……」
沙織は振られ話しを
僕の横で勢いよく始める。
『沙織…』
「んっ?なに、なに?」
大きな瞳で僕の横顔を
見つめる沙織はとてもかわいい。
それを横目でちらっと見ながら
『声でかいよ。ここ図書室。
追い出されるよ。』
「は〜い…」
辺りをキョロキョロしながら
少しむくれた顔で答える。
その顔もかわいくて好きだ。
『でもさ、今回は
結構続いたんじゃない?』
「え〜…2ヶ月だよ…」
さっきより少し小声で言い
甘えるように
僕の腕にもたれ掛かる。
こいつ、わざとかって
思うくらい
僕には無防備だった。
でもまあ仕方ないか…
小さい時から僕たちは
ずっと一緒だったから。
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