わがままなキッス☆ 【短編】
2. 幼なじみ

「フエーン、惣太ぁ聞いてよ〜」


僕に向かって泣きながら
近づいてくるのは
幼なじみの 西原沙織(ニシハラサオリ)


このパターン
だいたい予想はつく…
たぶん彼氏に振られたんだ。
高校に入って何人目だっけ…


僕は 加賀見惣太(カガミソウタ)
いつも沙織のふられ話しを
聞いてあげている。


僕は沙織が好きだった。
だから…
ふられ話しは大歓迎。


でも…
好きな男の相談もされる。
しかも協力まで……


沙織はまったくわかっていない。僕がどれほど沙織を好きか。


小さい頃は
それを素直に言えたのに。


そう言えば…
いつから言えなくなって
しまったんだろう。


沙織が僕に
好きな男の話しを
するようになってからかな…


だから今ではそれを
悟られないようにしている…。


僕は臆病だから……。
今のままでいい
君がそばにいてさえくれれば。


沙織はなんだかんだ言っても
必ず僕を頼るから。


だから
僕は君の為なら
なんだってしてあげる。


あの日の君の約束を
僕はまだ信じてるから。



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