あ い の う た <実話>
『冷たいなあ♪笑 俺、寺山尚!』


身長はそんなに高くなく、170ちょっと。
丸くて大きな目女の子みたい。
髪も猫っ毛でふわふわしてる。


こんなにちゃんと、間近で尚を見るのは初めてだった。




『…知ってるから。で、なに?』



『やべ♪知られてたー!笑』
あひゃひゃ、と尚は笑う。



うぜ…
こいつあたしの苦手なタイプかも。




『へ?なんか言ったあ?』


『なんも言ってない!で、寺山尚くんがあたしに何の御用?』




そう聞くと寺山尚の笑顔はさらにゆるんだ。



『ゆなちんさー[自遊人]好きでしょ?』



ドキっとした。



あたしが[自遊人]を聴いてること。
すきだってこと。


誰にも言ってない。
とりあえずこの学校の人には。


聞かれることもないだろうし、教えるつもりもない。



でも今確かに[自遊人]って…



言った…





…………なんで…?







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