未知の世界2

目が覚めると朝になっていた。





腕には点滴がつながれ、体を起こすと、頭に激痛が走った。






最近、勉強のし過ぎなのか、頭痛が頻繁にある。






でもあの素敵な大学に入りたいな。






目が覚めたから、ナースコールを押せばいいのに、私は部屋の外の空気を吸いたくて、部屋を出た。






点滴を手に持って、ふらふらと廊下を歩く。





ナースステーションに着くと、早朝からなのか誰もいない。
 




そのまま自販機やテレビやソファの置かれたところまで歩き、ソファに座った。




    

ここ最近外での生活にどっぷりつかっていたから、一晩病室にいるだけでも息苦しい。





早く帰りたいなぁ。






なんて思っていると、







「かなちゃぁん」






と、低い低い声が聞こえた。






うわっ、その声。





見つかってはいけない人に見つかった。






「こら!こんなところで何してんだ?」






振り返ると、鬼の形相の佐藤先生。






わっ!





久しぶりに見たこの顔っ!







と驚き怖がりながらも、ソファから立ち上がり先生の方へ歩く。






怒られても平気になってきた。






慣れって怖いな。





けど、それ以上は怒られない。






前はすごく怒られてたけど。






先生に連れられて病室に戻る。






「早いけど、診察するからな。」







といい、私に体温計を渡す。







体温計を脇に挟みながら、看護師さんに血圧を測られる。








この一連の流れがとても懐かしい。





その後、先生が聴診を始めた。





「うん、大丈夫だな。






熱も下がったし。






この点滴が終わったら、もう帰れるぞ。






今日は一日家で休んでなさい。





帰りはタクシー呼ぶからな。悪いけど、俺はこれから仕事だから。






今日は一日勉強せずに、休むこと!






分かったか?」






一日でも勉強をしないなんて、不安なのに、、、






と思いながらも渋々、






「はい。」







と答えた。







看護師さんが出ていくと、






「ところで、あの本を見てたけど、医療に興味があるのか?」






と聞かれた。






医療かぁ。それも面白そうだったなぁ。






でも、看護師さんなんて、私の性格に合うかなぁ。






「あの本は、すごくおもしろかったです。







自分の体もああなってるのかと思うと、すごいなって思いました。」







「じゃあ、決まりだな。」







何が?






「医学部に。」





は?






なぜ?






「えっ?






医学部!?医学部って、お医者さんですか?」






「そう、お医者さん。」






なんでそうなるの?





私にはお医者さんはおろか、看護師さんも無理だよ。





人が死んじゃうよー。





「前から器用だと思ってたし、お前の学力ならいけると思う。





それに、同じ医者なら、何かあってもなんとかしてやれるだろう?」





いやいや、同じ職場で働けるとは限りませんし、そこまでずっと一緒だなんて。






その前に医者なんて、私に無理だよ。


 


私の気持ちは無視され、先生は部屋を後にした。
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