青蒼の夜半に、闇色の鳥を
「なにか云いなさいよ、莫迦」

 拗ねた子供のような台詞が、漏れる。

 ――シェイスの夫となる者が、エンカランの長となる。

 先代のたったひとりの子だったシェイスが長の位に上がる、暗黙の了解。

 それはいまも生きている。

 シェイス自身が長であることを喜ぶ者は誰もいない。
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