青蒼の夜半に、闇色の鳥を

・2・

 耳に馴染んだ壁が軋む音に、ウルジャスは勢い好く振り返った。

 勝手に、顔が綻びる。

 同時に、これで最後なのだと云う感傷を噛み締める。

「シェイ……」

 名前を呼びかけて、ウルジャスはぴたりと動きを止めた。

 壁の軋みは軋みでも、音の種類が違う。

 重い両開きの扉が緩く開き、見慣れた端正な顔が覗いた。
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