青蒼の夜半に、闇色の鳥を
「愚かな男」

 ぽつりと、インシアが囁く。

「お前のために、神託をくれてあげる」

 インシアは細く高く囁く。

 甘くはない。真珠を指先から零すように、言葉を紡ぐ。

 床を転がっていく真珠のように、ひらひら、くすんだ光が零れて消える。

「お前の願いは、潰えるよ。

 お前の祈りは届かない。

 お前は、失いたくないものを失っていく。

 傍らから、消える」
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