青蒼の夜半に、闇色の鳥を
「私の願いなんて知らないでしょう、あなたは」

 くすりと、ラザーが笑う。

「私の祈りも、願いも、失いたくないものも」

 低く、笑い続ける。

「なにひとつ、知らないでしょう?」

 一瞬、ぎゅっとインシアの顔が歪んだ。

 ほんの瞬き、見逃すほどの時間。
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