青蒼の夜半に、闇色の鳥を
『好いんだ。

 お前には話しておかなければね』

 秘密めかして声を潜める。

 誰もいない場所に不必要な、芝居じみた仕草。

 ――聞いちゃ駄目だ。

 その場所で胡坐をかき干し果実を齧るシェイスとは違う、別の彼女がどこかで喚く。
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