蜉 蝣




授業が終わり、校門で待ち合わせた僕と佳香は

学校の近くにある洋食屋へと向かった。




小洒落た薄暗い内装にオレンジ色のライトが

彼女の黒くて大きな瞳を更に際立たせる。




『こういうお店よく来るの?』

『まぁね(笑)』




僕は嘘をついた。

こんな洒落た店、滅多に来る訳がない。








『いらっしゃいませ』









.
< 34 / 48 >

この作品をシェア

pagetop