相棒の世界
『俺、結構顔はいい方だろう?』
鷹目は自信げに胸を張った。
『すまん鷹目、俺はずっと顔というものを知らなかったんだ。故に、どういう顔がいい顔なのか分からない』
『あっそうか!じゃあ俺みたいな顔をいい顔の基準にしとけよ!』
『っ…センスが悪いと思われるから遠慮しとく』
『えー!?そりゃあないよ兎ちゃん!』
『それはこっちのセリフだ!』
俺と鷹目は顔を見合わせた。
静かな沈黙が走る。
『『ーーーふ、ふはははははは!!!』』
耐えきれず俺たちは同時に笑い出した。
死んだやつと目の見えなかったやつがこうして今顔を合わせているなんて、
おかしいのにもほどがある。
『ーーー兎ちゃん、ちょっと見てて』
鷹目はさっきの青リンゴを右手に持つとーーー
真剣な顔をしてそれを見つめ始めた。
途端にーーー
みるみる赤く染まっていくリンゴ。
「あ……」
そしてそれは真っ赤になり切ると同時にーーー
ドックン、ドックン…
まるで心臓のように鼓動を打ち始めた。