俺様社長に振り回されるのも悪くない


社長の顔がよく見えない
暗やみってだけじゃない
涙が……止まらない


恐怖だった震えも止まっていた


「連絡して来いって言ったのに、夏希は全然連絡くれねぇし、俺は必要じゃねぇのかと思った」


口を押さえられていた手が
ゆっくり外された


『はっ……苦し…い』


「ごめん、ごめん……」


『馬鹿っ!本当に怖かったんだから!』

そう言って社長の腕を叩く


「やり過ぎた……ごめん」


『謝って済むことじゃない…』


「ごめん……悪かった」



そんなことで怒ってるんじゃない。
怖かったのは確かだけど……

『もう……知らない…』


涙でぐちゃぐちゃな顔を手で覆う
< 300 / 334 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop