甘いペットは男と化す
「ちょ……待って……」
あまりにも突然なことに、慌てて体を引き離すと、ケイはじっとあたしを見つめている。
なんだかいつものケイと、どことなく違って見える。
寂しそうな瞳じゃない。
辛く苦しんでいる瞳。
「アカリは俺のこと嫌い?」
「嫌いじゃないけど……」
「じゃあ、好き?」
真っ直ぐと聞いてくる質問に、言葉が詰まってしまった。
嫌いじゃない。
好きか嫌いかと言われれば好き。
多分それはもう、恋心と化している。
でも……
「………ごめん。困らせちゃったね」
ケイはくしゃりと笑うと、あたしを抱いている腕を解いた。
「ご飯、本当に適当でいいよ。
あまりお腹空いてないから」
「う、ん……」
離された体は、ほっとしているはずなのに寂しさを感じていて……
急にこんなことをしてきたケイに、ただ疑問に思っていた。