甘いペットは男と化す
 
そのあとも、結局


(何度も言うけど……

 付き合うわけじゃないから)


なんて、最低な言葉を言われた。


それを承知したうえでの、抱かれた行為だった。


だからあたしは、決して勘違いしてはいけない。
今のケイは、あたしのことなんてなんとも思っていないと……。

あたしを手離したくないのは、自分が記憶を失っていた間、惹かれた女がどんなもんかと興味があるだけ。
従順な女が手元に欲しいだけ。


ただ、それだけ……



「確か、北島さんと初めて二人で飲みに行った次の日も、今までプライベートな話をしたことなかったのに、

 ”矢代さんって、アカリのことが好きなんですか?”

 って聞かれたっけな。それは気になってるってことでしょ」


「それは……」



その言葉は、言われた日に矢代さんから聞かされた。

あの時はあたしも、そんなことを聞いてきたケイがよく分からなくて……

だってあたしたちは、その数日前に再会したばかり。
ケイはあたしの存在すら知らなかった。
なのに……




「あ、れ……?」




あたしはここでようやく、一つの違和感を感じた。
 
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