甘いペットは男と化す
 
「沙樹……さんがいるから……?」
「…っ!?」


思わず口に出てしまった名前に、ケイは驚いて目を見開いた。

だけどその瞳は、どこか怖い。


「どうしてアカリが、サキのことを知ってんの?」
「それは……この前一緒に行ったカフェの日記を見て……」
「カフェ?……ああ…」


カフェと聞いて、ケイもあのクローバーのカフェをすぐに思いついたらしい。

納得したように頷くと、またため息を吐いていた。


「サキは関係ない。……もう」


小さく吐き出された「もう」という言葉が気になった。
だけどそれを聞き返していい雰囲気はなくて、その疑問はあたしの心の中にしまわれていく。


「だけどもう、俺が誰かと恋愛なんてする資格はない。
 だからアカリのことも、好きにはならない」

「……」


ケイの言い方はおかしい。

あたしのことを好きにはならない。って言っているけど……
でも確かに、あたしを好きだったことを覚えているんでしょ?


それなのに……



「ケ………っ」



急に反転した体。


気が付けばあたしは、ケイにソファーの上で組み敷かれる状態になっていた。
 
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