甘いペットは男と化す
「でもなんか、いかにも会話がカップルっぽかったですけど」
確かに、会話だけ聞いていれば、同棲カップルそのものだ。
だけどあたしとケイの間に、色恋の関係は一切なくて……
「……ペット…かな」
「え!なんですか、それ!」
「あはは……。さ、仕事しよ!」
「えー、気になるー!」
隣で、菅野ちゃんがあたしとケイの関係をグイグイと聞いてきていたけど、一切それを無視して、仕事に打ち込むことにした。
見ず知らずの男の子を、拾って一緒に住んでるなんてバレたら、会社中の噂の的だわ。
早くケイには記憶取り戻して、出て行ってもらわないと……。
そんなことを思いながら、仕事の合間を縫っては、記憶喪失というワードでいろいろ検索をかけている自分がいた。