甘いペットは男と化す
 
「俺も、サキのことが好きだった。
 初めて本気で、誰かを好きになった」


ケイから放たれる言葉は、あたしの不安をさらに大きくさせ、
じわりと涙が勝手に湧き上がってくる。


ケイが相内先生を想う気持ちは、きっとかなり強かったはずだ。

記憶を失い、何もかも覚えていなかったのに、
相内先生と過ごした部屋、お店、思い出だけは記憶の片隅に残されていた。


記憶を取り戻し、相内先生への恨みも思い出してしまったけど、
その恨みは、自分のためを思ってのことであったら……


きっとケイはまた、相内先生を……




「だけど俺は、それ以上に今はアカリを愛してる」




あたしのバカな思考回路が、そこでいったん止められた。
 
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