甘いペットは男と化す
 
「あの時の俺は……サキだけが世界で……。
 サキを頼って、サキに守ってもらって……年下であることをいいことに甘えているばかりだった。

 だけど……」


ケイがきゅっとあたしの手を握った。

思わず顔を上げると、そこには優しく微笑んだケイがいる。
そしてその顔は、相内先生へと変えられた。


「アカリは違う。
 一緒に支え合って、一緒に成長し合って……。
 お互いがプラスになれるように頑張りあえる。
 一緒に生きていくってこういうことなんだって思わされた。

 だからこそ、アカリを全力で守っていきたいと思うし、何かあったらアカリを頼りたいとも思う。

 今の俺が心から必要としているのは、アカリなんだ」


「ケイ……」


初めて聞いたその言葉に、感激して別の意味で涙が零れ落ちた。


「だからごめん。
 サキが今もなお俺を好きと言ってくれても……俺はサキの気持ちには応えられない」
 
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