甘いペットは男と化す
 
相内先生もにこにこと微笑んだまま、

「今度帰ってくるときはういろう買ってきてねー!」

なんて言っていて、今あった告白が嘘のようにさえ思える。


だけど改札に入る直前で、ケイはぴたりと止まり、相内先生へと振り返った。



「髪、短いの似合ってるよ。
 俺は長いのが好きだけど」

「っ……いいの!もうアンタの好みに合わせる必要なんかないんだから」

「そうだな。もっとイイ男つかまえなよ」


それだけ言うと、ケイは改札を通ってしまった。


ケイが前を向いて歩き出した瞬間、相内先生は両手で顔を覆って肩を震わせている。

きっと泣いているんだと、遠くなった距離でも伝わって……


「ケイ……」

「何?」

「……なんでもない」


先生が泣いていることを伝えようと思ったけど、ケイの顔を見て言葉をつぐんだ。
 
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