甘いペットは男と化す
「もーっ……!!だからって恥ずかしすぎるんだからねっ!!」
公共の面前でキスをしてしまったことが恥ずかしくて、ケイの問いかけには応えず体を離した。
勝手にキスまでしたことを怒っているんだと背を向けて歩き出す。
「アカリ」
だけどそんなあたしの背中に、ケイは追いかけることもなくただ名前を呼ぶ。
それに振り返ってしまうのは、あたしがケイに甘い証拠だ。
ケイは両手を上げて、優しく微笑む。
「おいで」
「……」
卑怯だ。
あんな甘い顔。
ずるい。
あんな優しい声。
「アカリ」
「……もう……バカ」
あたしは、そんな計算高いペット……
いや、ご主人様のもとへと駆け寄った。
「猫はご主人様にしか懐かないんだから、離れちゃダメだよ」
「……はい」
もうペットでもご主人様でも
どっちでもいい。
彼とともに歩いていけるのなら―――。
~fin.~

