甘いペットは男と化す
「だからいちいちこんなんで不安になられたら困るんですけど」
「ごめん……」
「謝るんなら、ここでキスして」
「えっ……」
イタズラめいた言葉が聞こえて、慌てて顔を上げる。
そこにはもう、いつもの小悪魔なケイの瞳があって……
「ほら」
「いや、だって人がいっぱい……」
「大丈夫。ホームでのラブシーンなんて当たり前だから」
「それはここでバイバイするカップルとかでしょっ」
「もーうるさいなぁ」
「っ…!!」
あたしの言葉はまるで無視。
ケイはグイとあたしの頭を引き寄せると、
多くの人がいるこのホームで、まるで自分たちしかいないようなキスを落とした。
「分かった?
俺はどんなにたくさんの人に見られても構わないくらい、アカリのことが好きなの」
「……」
唇を離して、至近距離のままにやりと微笑む。
後ろに見えるしっぽは、
もう子犬のしっぽなんかじゃない。
悪魔のしっぽだ。